【107】重症感染症【地震・1年以内・80歳代・男性】

災害区分 地震
発災から死亡までの期間 1年以内
性別・年齢 男性・80歳代
死因 重症感染症

死亡までの経緯等

発災前は糖尿病の既往があり投薬治療を行っていたが、日常生活に支障は無かった。
発災後は親族宅に避難しており、糖尿病の治療は継続していたが、周囲に知人がいないため活動量は低下していった。発災から約3か月後、夫婦二人でアパートに引っ越したが、部屋が狭く心身にストレスを感じていた。買い物中に倒れて搬送されたことがあり、この際は当日中に帰宅することができたが、この頃から認知症と思われる行動がみられ始めた。発災から約6か月後、突然体調不良を訴え入院。同月中に発熱し、重症感染症のため死亡した。
発災により生活環境が激変し、慣れない環境での避難生活で心身に負担がかかったことが糖尿病の悪化及び体力の低下につながり、死因である重症感染症の発症の原因となったと考えられることから、死亡と災害の間に相当因果関係があると認められた。

被災地での健康を守るために(厚生労働省)

2.病気の予防

(5)心身の機能の低下予防

慣れない避難所や仮設住宅の生活では、体を動かす機会が減ることで、特に高齢者の場合には、筋力が低下したり、関節が固くなるなどして、徐々に「動けなく」なることがあります。

また、動かないでいると、だんだん心が沈んできて「3.こころのケア」にあるような症状が出てしまうこともあります。

身の回りのことができる方は、なるべく自分で行ったり、可能な作業に参加したりしてください。

声をかけ合って、積極的に体を動かすようにしましょう。

3.こころのケア

今回の地震のように大変重いストレスにさらされると、程度の差はあっても誰でも、不安や心配などの反応が表れます。まずは休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。

これらの不安、心配の多くは時間の経過とともに回復することが知られています。

不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法もあります。実践してみましょう。

しかし、

1)心配で、イライラする、怒りっぽくなる
2)眠れない
3)動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる

などのときは無理をせずに、まずは身近な人や、専門の相談員に相談してみましょう。

また普段からお互いに声を掛け合うなど、コミュニケーションを取るなどしてこころのケアをすることが大切です。

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