【32】内因性心臓死【地震・1か月以内・50歳代・男性】

災害区分 地震
発災から死亡までの期間 1か月以内
性別・年齢 男性・50歳代
死因 内因性心臓死

死亡までの経緯等

19歳ころから不眠、興奮状態が出現し、以降約14年にわたり入院を繰り返した。その後発災までは入院歴はなく、月1回の通院により服薬治療を続け、落ちついた状態であった。自宅で農業の手伝いを行い、両親と3人で暮らしていた。
被災後は、日中は避難所又は自宅で、夜は車中泊を行うという生活を5日間続けた。不穏で、避難所内で声を上げるようになり、6日目にかかりつけの病院を受診し入院した。入院後も、不穏、興奮が続いたが、入院4日目から反応が乏しくなったため、水分摂取などを行い、精神症状の治まりを待っていた。食事もうまく摂れなくなった。
入院から1週間目に、座位のまま心停止状態だったのを発見され、救急搬送されたが死亡した。
被災後の生活環境の大幅な変化が身体的負担となり身体状態が悪化し、内因性心臓死につながったと推認されることから、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。

被災地での健康を守るために(厚生労働省)

2.病気の予防

(5)心身の機能の低下予防

慣れない避難所や仮設住宅の生活では、体を動かす機会が減ることで、特に高齢者の場合には、筋力が低下したり、関節が固くなるなどして、徐々に「動けなく」なることがあります。

また、動かないでいると、だんだん心が沈んできて「3.こころのケア」にあるような症状が出てしまうこともあります。

身の回りのことができる方は、なるべく自分で行ったり、可能な作業に参加したりしてください。

声をかけ合って、積極的に体を動かすようにしましょう。

3.こころのケア

今回の地震のように大変重いストレスにさらされると、程度の差はあっても誰でも、不安や心配などの反応が表れます。まずは休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。

これらの不安、心配の多くは時間の経過とともに回復することが知られています。

不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法もあります。実践してみましょう。

しかし、

1)心配で、イライラする、怒りっぽくなる
2)眠れない
3)動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる

などのときは無理をせずに、まずは身近な人や、専門の相談員に相談してみましょう。

また普段からお互いに声を掛け合うなど、コミュニケーションを取るなどしてこころのケアをすることが大切です。

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