【4】細菌感染症の疑い【豪雨・1週間以内・80歳代・女性】

災害区分 豪雨
発災から死亡までの期間 1週間以内
性別・年齢 女性・80歳代
死因 細菌感染症の疑い

死亡までの経緯等

発災前には結核、廃用症候群等の既往があったが、退院後は自宅にて療養していた。
発災時は早朝に付近一帯が被災し、自宅が床上浸水した。消防団により救助されたが救急車がすぐに来られない状況であり、軽トラックで避難したため全身濡れながらの移動となった。近隣の施設に入居したが食欲は無く、水分のみの摂取しかできなかった。夕方頃から手指の冷え、発汗、チアノーゼ等がみられ、夜間帯も酸素吸入を継続した。翌朝、呼びかけに応じず呼吸困難であったため救急搬送されたが、細菌感染症の疑いにより同日中に死亡した。
発災により雨中での避難を強いられ身体に著しい負荷を受けたことで体力が低下し、死因と思われる細菌感染症の発症に至ったと推測されることから、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。

被災地での健康を守るために(厚生労働省)

2.病気の予防

(1)感染症の流行を防ぐ

 避難所での集団生活では、感染性胃腸炎等の消化器系感染症などが流行しやすくなります。
 避難所の生活者や支援者は、こまめに手洗いを励行するよう心がけてください。可能であれば、擦り込み式エタノール剤やウェットティッシュを世帯単位で配布するのが望ましいです。
 発熱・せきなどの症状がある方は、避難所内に風邪などの病気を流行させないために、軽い症状であっても、マスクを着用しましょう。長引くときには結核などのおそれもあります。
 下痢や嘔吐などの症状がある方は、脱水にならないよう水分補給を心がけましょう。また、周囲に感染を広げないように、手洗いを励行してください。
 これらの症状がある方は、速やかに医師の診察を受けてください。可能であれば、入院を含む避難所外での療養を検討しましょう。
 また、けがをした場合には、そこから破傷風に感染するおそれがあります。土などで汚れた傷を放置せず、医療機関で手当を受けるようにしてください。

(5)心身の機能の低下予防

慣れない避難所や仮設住宅の生活では、体を動かす機会が減ることで、特に高齢者の場合には、筋力が低下したり、関節が固くなるなどして、徐々に「動けなく」なることがあります。

また、動かないでいると、だんだん心が沈んできて「3.こころのケア」にあるような症状が出てしまうこともあります。

身の回りのことができる方は、なるべく自分で行ったり、可能な作業に参加したりしてください。

声をかけ合って、積極的に体を動かすようにしましょう。

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