【5】内因性心臓死【地震・1週間以内・80歳代・男性】

災害区分 地震
発災から死亡までの期間 1週間以内
性別・年齢 男性・80歳代
死因 内因性心臓死

死亡までの経緯等

被災の約1年前に市内のグループホームに入所し、個室で生活していた。約3年前の事故で脳挫傷、頸椎骨折しており、日常的に後頭部に痛みがあり、薬を服用していた。食欲、睡眠はとれており、認知症と慢性関節リウマチのため歩行が困難であったが、それ以外問題はなく、元気であった。
本震や相次ぐ余震の影響で建物の一部が崩壊。本震の翌日、入所者の安全確保のため、施設1階に入所者を集め施設職員が見守っていた。コミュニケーションが苦手であり、他の入所者と一緒にいることに抵抗していた。入所者全員を集めていたため、スペースに余裕がなく、座布団を敷いて休んでいた。
その翌朝、施設職員が声をかけるが手足が冷たく、意識がない状態であることに気付き、救急車を呼ぶが、その場で死亡が確認された。検視の結果、内因性心臓死で急死したと判断された。
地震による避難行動が身体的・精神的負担となり、内因性心臓死により急死したと推認されることから、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。

被災地での健康を守るために(厚生労働省)

2.病気の予防

(5)心身の機能の低下予防

慣れない避難所や仮設住宅の生活では、体を動かす機会が減ることで、特に高齢者の場合には、筋力が低下したり、関節が固くなるなどして、徐々に「動けなく」なることがあります。

また、動かないでいると、だんだん心が沈んできて「3.こころのケア」にあるような症状が出てしまうこともあります。

身の回りのことができる方は、なるべく自分で行ったり、可能な作業に参加したりしてください。

声をかけ合って、積極的に体を動かすようにしましょう。

3.こころのケア

今回の地震のように大変重いストレスにさらされると、程度の差はあっても誰でも、不安や心配などの反応が表れます。まずは休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。

これらの不安、心配の多くは時間の経過とともに回復することが知られています。

不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法もあります。実践してみましょう。

しかし、

1)心配で、イライラする、怒りっぽくなる
2)眠れない
3)動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる

などのときは無理をせずに、まずは身近な人や、専門の相談員に相談してみましょう。

また普段からお互いに声を掛け合うなど、コミュニケーションを取るなどしてこころのケアをすることが大切です。

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