【106】縊死【地震・1年以内・30歳代・男性】

災害区分 地震
発災から死亡までの期間 1年以内
性別・年齢 男性・30歳代
死因 縊死(いし)

死亡までの経緯等

発災前は特に持病もなく、妻子と3人で自宅にて生活していた。
発災後、原発事故の影響で他県に避難しようとしたが、妻の家族と連絡が取れなかったため、家族で妻の実家に向かうこととなった。途中、被災状況を目の当たりにして、相当ショックを受けているようであった。1週間ほど妻の実家に滞在し、自宅に戻る。
発災から約1か月後、他県に避難。なお、子どもが学齢に達していたため、市内の小学校に入学し、転校手続を取った上で、妻子は約1か月遅れで避難した。
発災から約3か月後頃から、酒量が増える、一方で体重が減少し、不眠や疲れを口にするようになった。
発災から約5か月後に、妻子のみで一時帰宅。心理カウンセラーから連絡が取れないと妻に連絡があり、初めて夫が心理的に苦しんでいることを認知した。
発災から約8か月後に、避難先で自死しているのを外出から帰った妻子が発見。救急車を呼んだが死亡しているのを確認された。
申立書の医証や陳述書から、うつ病発症後に自殺した事実に間違いはなく、災害による避難行動や心労がうつ病発症の原因と考えられることから、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。

被災地での健康を守るために(厚生労働省)

3.こころのケア

今回の地震のように大変重いストレスにさらされると、程度の差はあっても誰でも、不安や心配などの反応が表れます。まずは休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。

これらの不安、心配の多くは時間の経過とともに回復することが知られています。

不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法もあります。実践してみましょう。

しかし、

1)心配で、イライラする、怒りっぽくなる
2)眠れない
3)動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる

などのときは無理をせずに、まずは身近な人や、専門の相談員に相談してみましょう。

また普段からお互いに声を掛け合うなど、コミュニケーションを取るなどしてこころのケアをすることが大切です。

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