【15】心不全【台風・1週間以内・80歳代・女性】

災害区分 台風
発災から死亡までの期間 1週間以内
性別・年齢 女性・80歳代
死因 心不全

死亡までの経緯等

発災前から特別養護老人ホームに入所していた。
発災時は施設が停電となり、室内の気温は上昇していた。発災から2日後、発熱があり呼びかけにも応じなかったため、緊急搬送された。入院が必要であると診断されたが、停電の影響で受け入れることができなかったため、別の病院に搬送された。脱水及び肺塞栓症と診断され入院したが、翌日に心不全のため死亡した。
災害によりライフラインが断絶し、気温の高い施設で過ごしたことによる脱水及び肺塞栓症の発症が死因である心不全を引き起こしたと推測されることから、死亡と災害の間に相当因果関係があると認められた。

被災地での健康を守るために(厚生労働省)

1.生活・身の回りのことについて

(1) 暑さへの対策
  • 暑い日が続く季節となってきたため、脱水や熱中症で体調を崩さないように注意することが必要です。日中に外出するときには、日傘の使用や帽子の着用、日陰の利用などにより暑さを避け、こまめに水分・塩分補給をしましょう。特に、節電・節約を意識するあまり、クーラー等を使わず熱中症になることがないよう、室温をこまめに計測し、28度を目安として、適度にクーラー等を使用することも重要です。また、暑い日に、めまい、頭痛、吐き気などの症状がみられた際には、すぐに医療機関を受診しましょう。
(2) 水分について
[1] 水分の確保
  • 様々なストレスや、トイレが整備されないことが原因で、水分をとる量が減りがちです。また、気温が高いときには脱水状態になりやすいので、こまめに水分をとりましょう。特に高齢者は脱水に気付きにくく、こうした影響を受けやすく、尿路の感染症や心筋梗塞、エコノミークラス症候群などの原因にもなるので、しっかりと水分をとるようにしましょう

2.病気の予防

(4)エコノミークラス症候群にならないために

 食事や水分を十分にとらない状態で、車などの狭い座席に長時間座っているなどして足を動かさないと、血行不良が起こり、血液が固まりやすくなります。その結果、血の固まり(血栓)が足から肺などにとび、血管を詰まらせ肺塞栓などを誘発する恐れがあります。この症状をエコノミークラス症候群と呼んでいます。

 こうした危険を予防するために、狭い車内などで寝起きを余儀なくされている方は、定期的に体を動かし、十分に水分をとるように心がけましょう。アルコール、コーヒーなどは利尿作用があり、飲んだ以上に水分となって体外に出てしまうので避けましょう。できるだけゆったりとした服を着ましょう。また、禁煙はエコノミー症候群の予防においても大変重要です。

 胸の痛みや、片側の足の痛み・赤くなる・むくみがある方は早めに医師に相談してください。

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