
災害区分 豪雨
発災から死亡までの期間 1年以内
性別・年齢 男性・70歳代
死因 甲状腺未分化がん
死亡までの経緯等
被災者は、発災前から腺腫様甲状腺腫の疑いで通院していた。被災前は、甲状腺がんの診断はできなかった。
自宅で被災し、1階に土砂が流れ込み、町内の親戚宅に夫婦で避難する。連日猛暑の中、夫婦で土砂の撤去、自宅の片付け、ボランティアの受入れ等、復旧作業を行った。
被災から約2か月後、心身ともに疲労困憊し、食事もとれなくなり、眠れない日が続いた。病院を受診し、うつ病と診断され、入院した。
約6か月後に退院したが、実質は甲状腺治療のための転院であった。転院の2日前に、甲状腺の腫れのため、入院先から別の医療機関を外来受診。甲状腺がんの診断を受ける。
転院から約3か月後に、甲状腺未分化がんにより入院先で死亡した。
発災前から重篤な既往症があったわけではなく、発災後の連日の炎天下での復旧作業による身体的・精神的負担で心身ともに衰弱し、うつ病で入院したことで、既往症の腺腫様甲状腺腫の治療が受けられなかったことが、病状を悪化させ、甲状腺がんにより死亡したと推測され、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。