【59】多発性骨髄腫【地震・3か月以内・80歳代・男性】

災害区分 地震
発災から死亡までの期間 3か月以内
性別・年齢 男性・80歳代
死因 多発性骨髄腫

死亡までの経緯等

被災の約6年前に発症した多発性骨髄腫を定期的に受診し抗がん治療を受けていたが、それ以外は妻の介護や家事全般を行うなど不自由なく生活していた。
自宅で被災。ベッドから落ちて左眼下を床頭台で打撲。出血したため近くの医院で応急処置を受け、市役所駐車場へ避難しそのまま車中泊する。自宅は住める状態ではないため(半壊)、翌日、隣市にある娘の職場のフロアにマットを敷いて就寝。災害前に比べ食欲は減退し、地震や余震への恐怖で睡眠も十分にとれなくなる。被災2日後、体調が優れず病院を受診し、輸血等の処置を受ける。入院を申し出るが受け入れできないと拒否され、市役所駐車場で車中泊する。被災3日後から3日間、娘の職場の休憩室に泊まり、昼間は自宅の片付け等を行う。
被災から約1週間後、被災者を受け入れている他県に受入れを申請し、避難する。避難先の県の病院を受診し、入院を検討する。被災から約半月後、入院するが、症状が悪化し、寝たきりの状態になる。被災から約1か月後に入院先で死亡。
長期間の治療を要する多発性骨髄腫であったが、地震の影響による治療環境の悪化や、発災時の負傷、避難生活等における身体的・精神的負担が症状の悪化に強く関与して死期を早めたと推認されることから、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。

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