【81】心室細動【豪雨・6か月以内・70歳代・女性】

災害区分 豪雨
発災から死亡までの期間 6か月以内
性別・年齢 女性・70歳代
死因 心室細動

死亡までの経緯等

被災前から指定難病である多発性筋炎と、それに伴う様々な循環器や血液の疾患が認められ、定期的に受診し、治療を継続していた。移動や身の回りの管理に支援を受けながら在宅で生活していた。
自宅浸水前に、自家用車に乗り家族で避難するが、避難所は混雑していたため、店舗の駐車場で車中泊する。翌日は、親族宅に、翌々日から別の親族宅に避難し、被災から約40日後に、家族で借上型仮設住宅へと移る。短期間で避難生活の場が移り、ほぼベッド上で生活するようになった。その後、食欲の不安定さや下肢筋力低下の進行があった。
発災から約5か月後、下痢の症状が出現し、病院に救急搬送され処置を受けたが、心肺停止となった。心肺蘇生が行われるも心破裂が起こり、心室細動で死亡した。
被災後の生活環境の激変により、身体の機能や免疫力が低下し、容態が急変して死亡したと推測されることから、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。

被災地での健康を守るために(厚生労働省)

2.病気の予防

(5)心身の機能の低下予防

慣れない避難所や仮設住宅の生活では、体を動かす機会が減ることで、特に高齢者の場合には、筋力が低下したり、関節が固くなるなどして、徐々に「動けなく」なることがあります。

また、動かないでいると、だんだん心が沈んできて「3.こころのケア」にあるような症状が出てしまうこともあります。

身の回りのことができる方は、なるべく自分で行ったり、可能な作業に参加したりしてください。

声をかけ合って、積極的に体を動かすようにしましょう。

3.こころのケア

今回の地震のように大変重いストレスにさらされると、程度の差はあっても誰でも、不安や心配などの反応が表れます。まずは休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。

これらの不安、心配の多くは時間の経過とともに回復することが知られています。

不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法もあります。実践してみましょう。

しかし、

1)心配で、イライラする、怒りっぽくなる
2)眠れない
3)動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる

などのときは無理をせずに、まずは身近な人や、専門の相談員に相談してみましょう。

また普段からお互いに声を掛け合うなど、コミュニケーションを取るなどしてこころのケアをすることが大切です。

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