
災害区分 台風
発災から死亡までの期間 1か月以内
性別・年齢 男性・70歳代
死因 右総腸骨動脈瘤破裂
死亡までの経緯等
発災前は高血圧の既往があり、服薬治療を継続していたが、入院や介護の必要は無く体調も良好であった。
発災時は自宅が浸水したため2階へ避難し、ボートで救助された。小学校に避難していたが2日後には自宅へ戻り、浸水していない2階で生活を始めた。火災防止のためブレーカーを落とそうと1階に降りたところ、被災により隆起した床につまずき転倒し、足を痛めてからは外出もできなくなり活動量も低下した。被災してから約2週間は入浴もできず、食事に関しても簡素なものが中心となり心身にストレスを感じていた。また、高血圧の薬を服用していたが、かかりつけ医が被災していたため服用を中断していた。発災から約1か月後、突然倒れこみ意識不明となり、緊急搬送されたが右総腸骨動脈瘤破裂による死亡が確認された。
災害により生活環境が激変し心身にストレスがかかっていたことに加え、継続していた薬の服用を中断せざるをえなかったことにより既往症である高血圧が悪化し、死因である右総腸骨動脈瘤破裂の原因となったと推測されることから、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。