【86】呼吸不全【豪雨・6か月以内・70歳代・男性】

災害区分 豪雨
発災から死亡までの期間 6か月以内
性別・年齢 女性・70歳代
死因 呼吸不全

死亡までの経緯等

被災前は、自宅で夫婦二人暮らしをしており、家事や庭の草むしりのほか、旅行に行くなど、日常生活の制限はなく暮らしていた。
豪雨による自宅裏山の土砂崩れにより、ボイラー室が崩壊し、浴室が損壊。水道管が損壊したことにより断水した。裏山の土砂崩れにショックを受け、食事がとれず、その分水分を多めにとったことで、基礎疾患である低ナトリウム血症の悪化を招いた。
発災から6日目から入院する。入院加療により症状が改善し、約2週間で退院するも体力の低下は著明であり、ADL(日常生活動作)は低下し、退院から約1か月後に要介護2の判定を受ける。
夫による介護やデイサービス、ショートステイを利用しながら在宅生活を送っていたが、要介護認定から約2か月後、肺炎及び気管支炎の診断を受け、入院する。入院後、症状の改善がみられるも、発災から約5か月半後に、肺炎を発症して死亡した。
災害による身体的・精神的負担により、体力の低下を招いて直接死因の原因である肺炎を発症して死亡したと推測され、災害と死因との間に相当因果関係があると認められた。

被災地での健康を守るために(厚生労働省)

2.病気の予防

(5)心身の機能の低下予防

慣れない避難所や仮設住宅の生活では、体を動かす機会が減ることで、特に高齢者の場合には、筋力が低下したり、関節が固くなるなどして、徐々に「動けなく」なることがあります。

また、動かないでいると、だんだん心が沈んできて「3.こころのケア」にあるような症状が出てしまうこともあります。

身の回りのことができる方は、なるべく自分で行ったり、可能な作業に参加したりしてください。

声をかけ合って、積極的に体を動かすようにしましょう。

3.こころのケア

今回の地震のように大変重いストレスにさらされると、程度の差はあっても誰でも、不安や心配などの反応が表れます。まずは休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。

これらの不安、心配の多くは時間の経過とともに回復することが知られています。

不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法もあります。実践してみましょう。

しかし、

1)心配で、イライラする、怒りっぽくなる
2)眠れない
3)動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる

などのときは無理をせずに、まずは身近な人や、専門の相談員に相談してみましょう。

また普段からお互いに声を掛け合うなど、コミュニケーションを取るなどしてこころのケアをすることが大切です。

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