【82】急性硬膜化血腫【豪雨・6か月以内・70歳代・女性】

災害区分 豪雨
発災から死亡までの期間 6か月以内
性別・年齢 女性・70歳代
死因 急性硬膜下血腫

死亡までの経緯等

被災前から双極性感情障害や脳梗塞等の疾患があり、家族の介護を受けながら自宅で生活していた。両下肢の筋力低下や両失明もあり、躁状態や不穏に伴って転倒することが多かった。
発災時は家族と自宅2階に垂直避難。翌朝にボートで救助され、避難所へ移動し1泊した。
翌日、被災した自宅に戻ったが、心身状態が悪化し、帰宅から15日後に双極性感情障害のため入院した。投薬治療で症状が安定し、入院から約3か月後に退院。借上型仮設住宅へ帰宅したが、再び躁状態から多動となり、転倒や壁等への衝突が頻発した。帰宅12日後の夜に倒れて意識不明となり、急性硬膜下血腫のため入院したが、回復することなく入院6日目に死亡した。
死因の急性硬膜下血腫は不慮の事故により発症したものであるが、被災による生活環境の激変が、基礎疾患の双極性感情障害の増悪や、視覚障害による環境変化への適応困難を招いて転倒に至ったものであり、偶然の事故とは言えないため、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。

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