【51】心不全【豪雨・3か月以内・90歳代・女性】

災害区分 豪雨
発災から死亡までの期間 3か月以内
性別・年齢 女性・90歳代
死因 心不全

死亡までの経緯等

被災前は、心不全等の持病があるものの、介護サービスの利用や、長男夫婦による生活介助、定期的な外来通院により、居宅生活を維持していた。食欲もあり、睡眠もとることができていた。
発災時、自宅1階部分が水没し、介護用ベッド等は使用できなくなった。近くの避難所に1泊した後、翌日から入院するまでの約3週間、親族宅で避難生活を送っていた。親族宅では介護サービスを利用することができず、災害前に使用していた介護ベッドも利用できないとともに、親族の家庭の事情により、生活介助を行う者はいない状況であった。
このような状況から、被災後に不眠及び食欲不振を訴えるようになり、胸の苦しみを訴え入院し、その後回復することなく、発災から約2か月後に、心不全のため死亡した。
災害による生活状況・住環境の激変により、身体的及び精神的に多大な負担がかかり、体調を悪化させて持病の心不全等の悪化を招いたと推認され、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。

被災地での健康を守るために(厚生労働省)

2.病気の予防

(5)心身の機能の低下予防

慣れない避難所や仮設住宅の生活では、体を動かす機会が減ることで、特に高齢者の場合には、筋力が低下したり、関節が固くなるなどして、徐々に「動けなく」なることがあります。

また、動かないでいると、だんだん心が沈んできて「3.こころのケア」にあるような症状が出てしまうこともあります。

身の回りのことができる方は、なるべく自分で行ったり、可能な作業に参加したりしてください。

声をかけ合って、積極的に体を動かすようにしましょう。

3.こころのケア

今回の地震のように大変重いストレスにさらされると、程度の差はあっても誰でも、不安や心配などの反応が表れます。まずは休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。

これらの不安、心配の多くは時間の経過とともに回復することが知られています。

不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法もあります。実践してみましょう。

しかし、

1)心配で、イライラする、怒りっぽくなる
2)眠れない
3)動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる

などのときは無理をせずに、まずは身近な人や、専門の相談員に相談してみましょう。

また普段からお互いに声を掛け合うなど、コミュニケーションを取るなどしてこころのケアをすることが大切です。

タイトルとURLをコピーしました