
災害区分 豪雨
発災から死亡までの期間 3年以内
性別・年齢 女性・80歳代
死因 敗血症
死亡までの経緯等
長年、糖尿病と認知症を患っていたが、家族の介護とデイサービス施設への通所により、家族とともに自宅で生活を送っていた。
発災時、水害により、自宅が半壊となる。市内の避難所で1泊。主に介護していた者がけがを負ったこと、通所していたデイサービス施設が浸水したことにより、発災前と同様の介護を受けることができなくなった。避難翌日から市外の親族宅で避難生活。生活環境の変化が大きく、家族や地域住人と離れたこともあって、徐々に活気がなくなった。発災から約1か月後、介護老人保健施設に入所する。入所から約1か月後、体に変調を来したため救急搬送され、散在性脳梗塞等により入院。その後、一般病院とリハビリ病院とを数回行き来し、発災から約9か月後に介護老人保健施設に再入所。全身状態が徐々に悪化し、発災から約1年後に肺炎から敗血症になって死亡した。
認知症の悪化や病気による身体的な負担と精神的ストレスが高まって、徐々に体力が弱まり、食欲も落ちた結果、肺炎から敗血症になって死亡したと推測され、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。
被災地での健康を守るために(厚生労働省)
2.病気の予防
(5)心身の機能の低下予防
慣れない避難所や仮設住宅の生活では、体を動かす機会が減ることで、特に高齢者の場合には、筋力が低下したり、関節が固くなるなどして、徐々に「動けなく」なることがあります。
また、動かないでいると、だんだん心が沈んできて「3.こころのケア」にあるような症状が出てしまうこともあります。
身の回りのことができる方は、なるべく自分で行ったり、可能な作業に参加したりしてください。
声をかけ合って、積極的に体を動かすようにしましょう。
3.こころのケア
今回の地震のように大変重いストレスにさらされると、程度の差はあっても誰でも、不安や心配などの反応が表れます。まずは休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。
これらの不安、心配の多くは時間の経過とともに回復することが知られています。
不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法もあります。実践してみましょう。
しかし、
1)心配で、イライラする、怒りっぽくなる
2)眠れない
3)動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる
などのときは無理をせずに、まずは身近な人や、専門の相談員に相談してみましょう。
また普段からお互いに声を掛け合うなど、コミュニケーションを取るなどしてこころのケアをすることが大切です。