【30】急性呼吸不全【地震・1か月以内・90歳代・女性】

災害区分 地震
発災から死亡までの期間 1か月以内
性別・年齢 女性・90歳代
死因 急性呼吸不全

死亡までの経緯等

発災の半年前から慢性腎不全などで入院していた。発災前は3食の流動食を摂ることができていた。
入院していた病院で被災。発災を契機に食事が摂れなくなり、家族の促しや看護師がスプーンで食べさせようとしても食事を摂ることができず、点滴により栄養補給を行う状態となった。
発災から約半月後に、急性呼吸不全のため死亡。
地震のショックや余震への恐怖が食欲を減退させて、体力低下を招き、持病の慢性腎不全が増悪し、急性呼吸不全で死に至ったものと推認されることから、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。

被災地での健康を守るために(厚生労働省)

2.病気の予防

(5)心身の機能の低下予防

慣れない避難所や仮設住宅の生活では、体を動かす機会が減ることで、特に高齢者の場合には、筋力が低下したり、関節が固くなるなどして、徐々に「動けなく」なることがあります。

また、動かないでいると、だんだん心が沈んできて「3.こころのケア」にあるような症状が出てしまうこともあります。

身の回りのことができる方は、なるべく自分で行ったり、可能な作業に参加したりしてください。

声をかけ合って、積極的に体を動かすようにしましょう。

3.こころのケア

今回の地震のように大変重いストレスにさらされると、程度の差はあっても誰でも、不安や心配などの反応が表れます。まずは休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。

これらの不安、心配の多くは時間の経過とともに回復することが知られています。

不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法もあります。実践してみましょう。

しかし、

1)心配で、イライラする、怒りっぽくなる
2)眠れない
3)動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる

などのときは無理をせずに、まずは身近な人や、専門の相談員に相談してみましょう。

また普段からお互いに声を掛け合うなど、コミュニケーションを取るなどしてこころのケアをすることが大切です。

タイトルとURLをコピーしました