
災害区分 地震
発災から死亡までの期間 1か月以内
性別・年齢 女性・80歳代
死因 誤嚥性肺炎
死亡までの経緯等
被災前は、パーキンソン病で月1回通院し、服薬治療を行っていた。また、訪問看護やデイサービス、ショートステイなどを利用し、日常生活は安定しており、食事摂取も良好であった。
被災する約1か月前に骨折し、リハビリ加療のため入院中のところ被災した。地震後は食欲が減退し、体重が減少した。被災から約1週間後に退院。自宅は半壊となっていたため、短期間の予定で施設に入所。
入所翌日未明に体調が悪化し、救急搬送され再入院。再入院の約1週間後に、誤嚥性肺炎で死亡した。
被災したことによるストレスが食欲を減退させて体力低下を招いたこと、また、病院・施設の入退所の繰り返しによる環境の変化が身体的負担となり持病のパーキンソン病が悪化して誤嚥性肺炎により死亡したものと推認されるため、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。
被災地での健康を守るために(厚生労働省)
2.病気の予防
(5)心身の機能の低下予防
慣れない避難所や仮設住宅の生活では、体を動かす機会が減ることで、特に高齢者の場合には、筋力が低下したり、関節が固くなるなどして、徐々に「動けなく」なることがあります。
また、動かないでいると、だんだん心が沈んできて「3.こころのケア」にあるような症状が出てしまうこともあります。
身の回りのことができる方は、なるべく自分で行ったり、可能な作業に参加したりしてください。
声をかけ合って、積極的に体を動かすようにしましょう。
3.こころのケア
今回の地震のように大変重いストレスにさらされると、程度の差はあっても誰でも、不安や心配などの反応が表れます。まずは休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。
これらの不安、心配の多くは時間の経過とともに回復することが知られています。
不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法もあります。実践してみましょう。
しかし、
1)心配で、イライラする、怒りっぽくなる
2)眠れない
3)動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる
などのときは無理をせずに、まずは身近な人や、専門の相談員に相談してみましょう。
また普段からお互いに声を掛け合うなど、コミュニケーションを取るなどしてこころのケアをすることが大切です。