【122】脳挫傷【地震・3年超・60歳代・女性】

災害区分 地震
発災から死亡までの期間 3年超
性別・年齢 女性・60歳代
死因 脳挫傷

死亡までの経緯等

夫と子ども2人の4人で一戸建ての自宅で生活していた。持病もなく、家族間、近隣住民との関係も良好であった。
発災時は自宅におり、夫とともに高台に避難する。避難した高台から自宅が全壊流失する様子を目撃する。
その後、避難所での生活を送るが、特に心身の不調を訴えることはなかった。
被災から約4か月後に、市内の仮設住宅に入居する。直後から、隣室の人が歩く音や生活音を気にするようになり、幻聴や妄想を訴えるようになる。市内の別の仮設住宅に転居し、一旦は幻聴等の訴えはなくなった。
被災から約2年後に心療内科を受診し、幻覚・妄想状態、不安、抑うつ状態がある旨の診断を受ける。
被災から約4年8か月後、市内の災害公営住宅(8階)に転居する。精神状態はだいぶ落ち着いたが、通院、投薬治療は継続。
転居から約1年10か月後頃から不眠、食欲不振を訴えるようになり、「ベランダから飛び降りたくなることがある」旨の言動もみられる。
転居の約2年後に、自宅ベランダから飛び降り、死亡。
災害による生活環境の激変が身体的・精神的負担となり、妄想性障害を発症した結果、自殺に至ったものと推認され、かつ、被災以外の心理的負荷及び個体側要因が特に認められないことから、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。

被災地での健康を守るために(厚生労働省)

3.こころのケア

今回の地震のように大変重いストレスにさらされると、程度の差はあっても誰でも、不安や心配などの反応が表れます。まずは休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。

これらの不安、心配の多くは時間の経過とともに回復することが知られています。

不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法もあります。実践してみましょう。

しかし、

1)心配で、イライラする、怒りっぽくなる
2)眠れない
3)動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる

などのときは無理をせずに、まずは身近な人や、専門の相談員に相談してみましょう。

また普段からお互いに声を掛け合うなど、コミュニケーションを取るなどしてこころのケアをすることが大切です。

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