
災害区分 豪雨
発災から死亡までの期間 1年以内
性別・年齢 男性・70歳代
死因 肺腺がん
死亡までの経緯等
被災前から慢性閉塞性肺疾患や肺がんと診断があり、被災の約2か月前に、家族へ余命1年との宣告があり、化学療法が行われていた。
夜半に急激に自宅が浸水し、2階に垂直避難した。体が水につかり、翌朝、自衛隊に救助され、病院に搬送された。病院で身体状態の検査を受け、親族宅へ身を寄せた。数日後、家族とともに自宅の片付け作業を行った後に、細菌性肺炎を発症したため入院となった。
約2週間後に退院し、借上型仮設住宅に帰宅したが,10日後に再度発熱し、血中酸素濃度が低下したため再入院。肺炎治療を優先させるため、肺がんの化学療法が中断され、ADLは著しく低下した。約2週間後、細菌性肺炎が軽快したため退院。
その後、腫瘍が増大したため化学療法等を再開し,通院治療を継続するも、慢性閉塞性肺疾患の急性増悪等で入退院を繰り返し、病状が回復せずに、被災から約6か月後に肺腺がんのため入院先で死亡した。
災害に遭遇したことや被災後の復旧作業等による身体的負担が、基礎疾患の増悪を招き死期を早めたと考えられ、死因である肺腺がんと災害に相当因果関係があると認められた。