【70】播種血管内凝固症候群【台風・3か月以内・80歳代・男性】

災害区分 台風
発災から死亡までの期間 3か月以内
性別・年齢 男性・80歳代
死因 播種血管内凝固症候群

死亡までの経緯等

発災前は糖尿病、狭心症、肺炎等の既往がありインスリンの注射を行っていたが、日常生活に支障は無かった。
発災時は夜に自宅が床上浸水したため、自宅内の高所部分に避難し朝まで過ごした。翌日以降も自宅で生活を続けながら浸水部分の片付けを行ったが、床が乾き始めてからはホコリや汚泥等による粉塵が酷く、のどの痛みを訴えるようになった。発災から10日後にかかりつけ医を受診し肺炎と診断され、入院することとなった。ICUにて治療を受けていたが、回復がみられず、次第に食欲もなくなり、発災から約2か月後に播種血管内凝固症候群のため死亡した。
災害により自宅が浸水し復旧作業を行っていたところ、大量に粉塵を吸引し肺炎を発症。その症状が長引いた結果、死因である播種血管内凝固症候群の発症に至ったと推定されることから、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。

播種性血管内凝固症候群とは

播種性血管内凝固症候群(DIC)は、体内のいたるところで血が固まり(血栓)、同時に血が止まらなくなる(出血)状態です。

播種性血管内凝固(DIC)とは、主な症状として、出血しやすくなる、また、全身の微小な血管の障害及び血管がつまることにより臓器に障害が現れます。症状が重くなると、ショックやまれに溶血性貧血をともないます。
なお、DIC の発症は通常の医薬品の副作用と異なり、がん、重症の感染症など非常に重い病気を持つ患者に発症することが多く、主に入院患者で状態の悪化に伴い発症することが多いと考えられています。

厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル より

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