【104】急性心不全【豪雨・1年以内・80歳代・男性】

災害区分 豪雨
発災から死亡までの期間 1年以内
性別・年齢 男性・80歳代
死因 急性心不全

死亡までの経緯等

発災前から施設で生活していた。生活には一部介助が必要であったが、食事は自力摂取ができていた。
発災時は入所施設が被災し、ベッド付近まで浸水。電気機器、空調が利用できない高温多湿の中、3日間を過ごした。避難先の施設で朝食摂取後、誤嚥による低酸素脳症で救急搬送され、入院となった。その後も誤嚥性肺炎と尿路感染症を繰り返し、被災から約半年後に転院したが、状態が好転することは無く嚥下機能など身体機能も低下し、被災から約8か月後に急性心不全により死亡した。
被災により通常受けられる介護サービスが受けられなかったことや、避難・転院等を繰り返したことによる生活環境の激変によって心身に負荷がかかり、誤嚥性肺炎や急性心不全等の症状を引き起こしたと考えられることから、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。

被災地での健康を守るために(厚生労働省)

1.生活・身の回りのことについて

(2) 水分について
[1] 水分の確保
  • 様々なストレスや、トイレが整備されないことが原因で、水分をとる量が減りがちです。また、気温が高いときには脱水状態になりやすいので、こまめに水分をとりましょう。特に高齢者は脱水に気付きにくく、こうした影響を受けやすく、尿路の感染症や心筋梗塞、エコノミークラス症候群などの原因にもなるので、しっかりと水分をとるようにしましょう。

2.病気の予防

(6)歯と口の清掃(口腔こうくうケア)・入れ歯

避難生活では、水の不足等により、歯・口・入れ歯の清掃がおろそかになり、食生活の偏り、水分補給の不足、ストレスなども重なって、むし歯、歯周病、口臭などが生じやすくなります。特に高齢者では、体力低下も重なり、誤嚥性肺炎などの呼吸器感染症を引きおこしやすくなります。

できるだけ歯みがきを行い、歯みがきができない場合でも、少量の水でできるうがい(ぷくぷくうがい)を行いましょう。また、支援物資には菓子パンやお菓子も多いですが、食べる時間を決めるなどして、頻回な飲食を避けるようにしましょう。

入れ歯の紛失・破損、歯の痛みなどで食べることに困っている方は、避難所の担当者や歯科医師等に相談しましょう。

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