【68】末期腎不全【台風・3か月以内・80歳代・男性】

災害区分 台風
発災から死亡までの期間 3か月以内
性別・年齢 男性・80歳代
死因 末期腎不全

死亡までの経緯等

発災前は心臓、腎臓、気管支等に既往があり通院していたが、日常生活に支障は無かった。
発災時は自宅の1階が浸水したため2階へ避難し、4日間過ごした後、親族宅に移動し生活していた。1階の片付けのために家族で自宅へ通っていたが、自宅の被災により心身が疲弊していたため2階で休息していることしかできず、1階に降りてくることも無かった。心労から食欲も減退し、体力も低下していった。発災から約10日後、1階が使用できるようになったため自宅に戻ったが、ほとんどベッドに寝たきりとなった。発災から約2週間後、手の腫れに気づき受診したが、心臓の持病のため作用の強い薬を服用できなかった。翌日、体調が悪化し緊急搬送されそのまま入院。足のむくみも見られ、呼吸も苦しむようになり、発災から約2か月後、末期腎不全のため死亡した。
災害による環境の激変から心身にストレスがかかり、食欲の減退や体力の低下につながり、死因である末期腎不全の悪化に至ったと推定されることから、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。

被災地での健康を守るために(厚生労働省)

2.病気の予防

(5)心身の機能の低下予防

慣れない避難所や仮設住宅の生活では、体を動かす機会が減ることで、特に高齢者の場合には、筋力が低下したり、関節が固くなるなどして、徐々に「動けなく」なることがあります。

また、動かないでいると、だんだん心が沈んできて「3.こころのケア」にあるような症状が出てしまうこともあります。

身の回りのことができる方は、なるべく自分で行ったり、可能な作業に参加したりしてください。

声をかけ合って、積極的に体を動かすようにしましょう。

3.こころのケア

今回の地震のように大変重いストレスにさらされると、程度の差はあっても誰でも、不安や心配などの反応が表れます。まずは休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。

これらの不安、心配の多くは時間の経過とともに回復することが知られています。

不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法もあります。実践してみましょう。

しかし、

1)心配で、イライラする、怒りっぽくなる
2)眠れない
3)動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる

などのときは無理をせずに、まずは身近な人や、専門の相談員に相談してみましょう。

また普段からお互いに声を掛け合うなど、コミュニケーションを取るなどしてこころのケアをすることが大切です。

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